スローフード2.0:6つの新しいコミュニティの世界

2018/8/28

変化のために統一したネットワーク

スローフードネットワークは、世界各地の新しいコミュニティを構築するために取り組んでいます。ここ数ヶ月の間に設立された最初の例として、世界のコミュニティの概要を簡単にご紹介します。

優れた実践を通して地域の生物多様性を保護する
スローフード Molo Mushunu 鶏農業のコミュニティ – ケニア

コミュニティは、アフリカの菜園プロジェクトに参加する37人の人々で構成され、他の活動と共同でMolo Mushunuの鶏(スローフード常設プロジェクト)を飼育しています。彼らは特に食鶏の保護を通じて、地域の生物多様性保護のために2009年から活動しています。コミュニティの主な目的は、地方品種の農業を促進し、伝統食品が消滅するリスクについて消費者の意識を高めることです。コミュニティを通じ、メンバーは地域のイベントや会議に参加し、味の箱船を奨励するために取り組んできました。コミュニティはまた、スローフードケニアと協力して、同国の生物多様性保護プロジェクトの資金調達のために密接に活動しています。

味覚教育とシェフのネットワーク
スローフード Bilbao Ostalaritza Eskola コミュニティ- スペイン

味覚教育とシェフが果たすことができる重要な役割は、スローフードBilbao Ostalaritza Eskolaコミュニティの活動です。メンバーは地元のケータリングスクールの教師であり、いくつかの味の箱船のものも含めた地元の品種を菜園に植え、Basque Food Labと非常に興味深いコラボレーションを開発しようと努めています。このBilbao Superior School of Hospitalityキャンパスでの研究開発のワークショップでは、学生や地元の生産者と多くの活動を始める可能性を秘めています。コミュニティはまた、年間の寄付金で国際的なシェフズアライアンスプロジェクトを支援しています。

多様な在来品種を保護するための地元のネットワークの相乗効果
スローフード チェスナット ガーディアン コミュニティ – モンジャバレー、ピエモンテ、イタリア

このコミュニティは、古代の栗の木で知られているピエモンテ南部のエリアで、モンジャバレーの20以上の栗の栽培者と活動家が関わっています。コミュニティには二つの目的があります:一つは景観を守り地域の生物多様性を保護することと、もう一つはこの遺産の重要性について世間一般の意識を高め、身体に障がいがある人や移住者と働く団体と共に社会的に価値のあるプロジェクトを作ることです。これらの目標を達成するために、栗の乾燥プロセスを改良し、生産の改善を図ったり、大学や研究機関とのコラボレーションを通じて優れた活動の復活を奨励します(例えば、伝統的なピエモンテ牛を放牧することで、自然な肥沃化になることや、剪定、接ぎ木といったもの)。また、ワークショップや楽しい教育イベントを企画し、口頭の証言や証拠の収集など、書面による視覚的な歴史的記憶の構築に取り組む予定です。コミュニティは、年間の寄付金で味の箱船を支援しています。

固有ネットワークの新しいコミュニティ
伝統的な食糧を促進するスローフード先住民Chumbiのコミュニティ – エクアドル


15人のメンバーによって設立されたこの先住民のコミュニティは、食糧主権を守り、土地への出入りのために戦うという願いのもと、Kichwa Otavalo、Karanqui、Cañari、Puruwa、Saraguro、Cayambis、Kitukarasなどを含む様々な人々を集めています。このコミュニティの主な目的は、生産者、ネットワークのガバナンスボディへの参加、伝統的な知恵と技術に対する関心の向上をサポートする組織の活動、またスローフードのプロジェクトのプロモーションを通して、国の先住民コミュニティを1つにまとめ彼らの食文化を促進することです。具体的には、種子、アンデスのアグロエコロジー、土地と水の権利に基づいた学びと共有の活動と、先住民の人々とその知恵、彼らの伝統につながっている最も重要な食物に焦点を置いた国際的なイベントを現在計画中です。コミュニティの年間の寄付金で、生物多様性保護プロジェクト、特に味の箱船とプレシディアを支援しています。

小規模な地元の企業を保護するための生乳のチーズ製造
ケベック州での生乳のチーズ製造を促進するためのスローフードコミュニティ – カナダ

コミュニティには、ケベック出身の生乳生産者やネットワークの活動家を含む15人以上が集まっています。チーズ生産の産業化とCETA(Comprehensive Economic & Trade Agreement’s )のような国際条約に強く反対しているコミュニティの主な目的は、国内の生乳のチーズ生産者だけでなく、酪農業で働く人を巻き込んだプレシディアを設立することです。コミュニティの主な活動は、生乳チーズを生産する権利と小規模の職人酪農家が保護されることを保証するために、世論と政府のロビー活動の発展に影響を与えるコミュニケーションキャンペーンの組織を中心に展開されます。コミュニティの年間の寄付金で、国際的なプレシディアプロジェクトを支援する予定です。

地方の青年男女向けプロジェクト
スローフードアスタナ青年男女コミュニティ – カザフスタン


このコミュニティは、不平等に苦しめられている都市部と地方地域の両方で、若い世代が共同でローフード問題を促進するために作られました。グループは主に、伝統料理の知識を保持し、若い農家を支援する活動を組織化し、彼らが自分たちの土地にとどまることを可能にするために活動しています。そのためには、体験、知識、問題、解決策の共有を促進するためのオンラインプラットフォーム(bauyrsak.kz)を作成や中央アジアのすべての活動家のための地域会議の開催も予定されています。近日開催予定の最も重要なイベントの中には、廃棄物の問題だけでなく環境の持続可能性にも焦点を当てたディスコスープイベント「Disco Baursak」と、伝統的な知識やレシピを発見してカタログ化するために地方を旅する「the Marathon of Taste」があります。地域社会の年間寄付金は、国際学校の食糧庭園プロジェクトを支援するために使用されます。

元記事:https://www.slowfood.com/slow-food-2-0-six-new-communities-around-the-world/

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