スローフードどファンドレイジング:あなたの寄付はどこへ行くのか  Slow Food and fundraising: where your donation goes

2017/12/14

 

 

スローフードは、多岐に渡るプロジェクトや活動を展開していますが、一つの共通した社会的・環境的ゴールがあります。それは、「おいしい、きれい、ただしい食を全ての人が享受できる権利を守ること」です。

 

私たちは、「世界をより良くしたい」と望む、野心的な団体だと言えるでしょう。そんな団体は、世界中でスローフードの理念に共感する、数百万人の支援者、活動家、ボランティアによって支えられています。スローフードは、これらの人々の動員なしには、存在し得ません。そして、スローフード側も、スローフードのネットワークの中にいる人々の目標を果たすため、公共機関や民間から得た寄付や協賛金、そして機関や財団からの助成金の使い道を決めています。

 

さて、私たちは昨年・今年調達した資金を、どのように使ったでしょうか?おそらく歴史上最も、野心的なチャプターへ突入しました。なぜなら、今まで私たちが影響を及ぼすことができると、夢にも思わなかった国に乗り出したからです。そう、中国です。世界で最も人口密度が高く、世界最大の温室効果ガス排出国である中国を差し置いてフードシステムについて語ることほど、無意味なことはありません。それが理由で、第七回スローフード世界大会を、UNESCOが認定した「ガストロノミーの都」でもある成都市で開催することにしたのです。

 

中国は、歴史上最大の都市への人口流入が進んでいます。1990年には中国全体の約26%が都市部に住んでいたのに対し、現在はその割合は56%にも上っています。農村の暮らしをもっと魅力的にし、活性化し、都市部の人に再認識してもらわなければなりません。そうするために、1000のSlow Villageのプロジェクトが新しく発足しました。中国で活発化している郷村建設運動との協働で、アグロエコロジーな農業を元にしたSlow Villageを1000カ所作ります。

 

昨年のサポーターからの寄付のおかげで、スローフードのメッセージを新しい土地まで広げることができました。アフリカのブルキナファソとコンゴでは、テッラマードレの大きなイベントが開催され、カリブ海ではSlow Fish Caribeが発足し、メキシコとコロンビアとの間で珊瑚礁と沿岸の生物多様性を保護していくための活動が始まりました。また、デンバーで開催されたSlow Food Nationsでは、小規模生産者を大きなプラットフォームに招き、アメリカの生物多様性を披露しました。

 

大人向けはもちろん、学校教育の現場での食育プログラムは、イタリアやアフリカ、アメリカ等々、多くの国で継続しておこなわれました。このようなプログラムを通して、学生たちは、食べ物を生産するということは何を意味するのか、そして自分の食の選択が世界にどんな影響を及ぼすのか、ということを学ぶ機会を得ています。

 

今年、一日に一つのペースでアフリカに菜園がつくられました。一つの菜園が作られるごとに、世界で一番貧しい大陸であるアフリカの「食の民主権」が保護されていきます。来年は、もっと増やしていき、目標の10,000へ近づけていく予定です。

 

650個の新しい食品が、世界最大の絶滅危惧食品リストである味の箱船に乗船しました。私たちは、日々消えゆく食品や植物、動物の種を探し続けます。味の箱船は、世界中の人々と情報を共有し認知度を高めることによって、無形の遺産を守っていく第一歩になります。

 

ヨーロッパでは、国レベル、そして国際レベルの機関に絶えずプレッシャーを与えながら、私たちのフードシステムに具体的な変化が生まれるよう促しています。特に、EUの40%の予算を占める、共通農業政策ついて、ロビー活動を行なっています。EUの単一市場が事実上世界最大の経済である以上、EUの農業政策が世界中、特に発展途上国に及ぼす影響は多大です。発展途上国の食品市場は、ヨーロッパからの輸入品に多く影響を受けています。スローフードは、EUの最前線であるベルギー・ブリュッセルで、小規模生産者の声を政治家に届けるために、新しい形のロビー活動をしています。来年は、より多くの資源をこの重要な活動に充てる予定でいます。

 

スローフードは、多くの人によって様々な解釈がなされています。そしてスローフード運動の持つ多面的な性格は、一般の人たちのみならず、私たちの一番近いところにいるサポーターまでも混乱させます。チリでファーマーズマーケット、日本での若い世代の生産者や料理人が集い、そしてEUの政治家へインパクトを及ぼすためのSNSを駆使したキャンペーン活動・・・一見すると、まったくバラバラなことをやっているようにも見えますが、同じ原点があります。それは、「私たちは、食への向き合い方を変えなければならない」ということです。気候変動は、もう未来の話ではなく、私たちの日常の食べ物を危険の最前線に追いやっています。今まで以上に、行動を起こすことが重要です。私たちが皆、自分の食を変えるという小さな行動を起こせば、その影響力は人類と地球の未来を変えうるほどの大きなものとなります。スローフードのやっていることは、すべてこのメッセージに立ち返ることで共通点が見えてきます。私たちの拡散したい言葉は「食で世界は変えられる」です。おいしい、きれい、ただしい食を選ぶことによって、私たちにとって、食べ物を生産しているひとたちにとって、そして食べ物を育んでくれるこの地球にとってより良い未来をもたらすことができます。

 

 

Please reload

Please reload