スローフードは30年前にイタリアで発足し、草の根運動として世界160ヶ国に広がるグローバルな食の運動となりました。伝統食の継承から始まった運動は、生物多様性や先住民族の叡智などを発信し、そして食の担い手を育成する世界初の食科学大学も設立するまでになりました。また著名なシェフたちのネットワークを構築し、あらゆるジャンルにおける食の課題に他団体や行政等と連携しながら取り組んでいます。

 

私たちスローフード国際本部は、世界の食の課題を解決する大きなヒントが日本にはあると考えており、日本におけるスローフード運動の強化を謀るために2015年5月に国際本部日本にオフィスを設置し、私が日本ディレアクターとして任命されました。設置の理由としては、日本の食文化は縄文時代からいまに至るまで、世界で一番長きにわたって継承されており、食の叡智をいまでも日常的に垣間見ることができているからです。この古の叡智があって「自然を尊ぶ」という日本人の気質に基づいた「食」に関する「習わし」を、「和食;日本人の伝統的な食文化」と題して、ユネスコ無形文化遺産にも2013年に登録されました。

 

それだけでなく日本の農業生産者や漁業者が代々受け継いできた農法、漁法にも自然に配慮した知恵が存続しており、この技術を共有することによって世界の生産者の生活が向上し、より環境に寄り添う食の生産をもたらすことができる可能性を秘めていると私たちは考えています。そのため、これまで以上にスローフードを日本国内に強化していくためには、産官学民連携をしていくことが大事だと考えております。そして私たちの国際的なプラットフォームを活用していただき、日本の地域の取り組みや生産者さんの思いを世界に発信し、日本の国際協力協力や海外進出に貢献できるサポーターとして働いていきたいと願っております。

 

魯山人は言いました、「食道楽も生やさしいものではない。とにかく、かつての日本人の衣食住は、すべて立派であった。国外に遠慮するものあったら、それは間違いだ。」私は、彼のその精神を担い、スローフードを発信基地として日本の衣食住の叡智を世界に伝えていきたいと思っております。出典:魯山人味道 美食と人生

 

日本スローフード協会 代表理事

伊江玲美

代表挨拶

©2023 by Gelato. Proudly created with Slow Food Nippon